お正月になると食べるおせち料理。
海老や紅白かまぼこ、伊達巻等色鮮やかな食材たちに混じって箸休めの里芋のように入っている野菜があります。

里芋をイメージして噛んでみるとまさかのシャキシャキ食感で驚いたことある方もいるのでは?
これがくわい(慈姑)という野菜です。
あまり日常的に食べたことのない野菜なので「なにそれ?」と思われる方もいるのでは?
吹田市はくわいの産地でご当地ゆるキャラもこの「くわい」がモチーフになっています。
この記事ではそんなくわいについてご紹介します。
くわいって何?どんな食べ物?

くわいはオモダカ科の中国原産の多年生植物です。
中国と日本でしか栽培されておらず、中国のものは白いから白クワイ、日本のものは青いから青クワイと呼ばれています。
白クワイと青クワイは中国原産で、もう一つ、「吹田くわい」と呼ばれる日本産のクワイも存在します。
食感も白と青で異なります。
白クワイはシャキシャキとした食感、青クワイは芋のようなホクホクとした食感です。
中華料理ではこの食感を生かして炒め物にすることが多いんだとか。
吹田くわいはこれらのくわいよりも小ぶりで甘みがあるのが特徴です。
大学生の頃アルバイトしていたファミレスのサラダバーに一時期クワイが置いてあったこともありますが、お客さんから「これは何?」と聞かれることが多かったです。
「おせち料理に入ってるクワイです。」と回答すると40~50代以上の方は「あぁー、なるほど。」という反応をされていました。
聞けば納得するけど、日常的には馴染みのない野菜ということですね。
どうしてくわいは日常的に馴染みがないのでしょうか。
くわいに馴染みがない理由は?
海老や蓮根、昆布、かまぼこ…。
他のおせちの食材は日常的に見たことがあったり、名前も知っている食材が多いですが、どうしてくわいに馴染みがないのでしょうか。
その秘密は収穫にあると思われます。
くわいの旬は秋~冬。
夏に白い花が咲き、10月頃から収穫が始まります。
収穫は真冬に水の中で行うためとても重労働です。
農家の方が減っていることもあると思いますが、寒い冬に冷たい水に入って収穫作業をするなんて大変ですよね。
吹田くわいに至っては「幻の野菜」とまで言われたぐらい生産量が少ないみたいです。
「吹田くわい」は大阪府の「なにわの伝統野菜」の認定を受けている珍しい野菜で、現在は種の保存のために保存会まで結成されています。
おせちのくわいにこめられた願いは?
くわいは茎の先に芽が見えることから「芽でたい」→「めでたい」ということでお正月のおせち料理に入っているとのこと。
「芽がでる」ということで「出世祈願」の願いも込められていると言われています。

また、吹田くわいは京都御所に献上されていたという記録も残っている歴史ある野菜で万葉集や江戸時代の書物等色々なところに名前が残っているのだとか。
伊勢神宮の外宮にある農産館に吹田くわいが展示されているそうですよ。
吹田市のゆるキャラもくわいがモチーフ?
大阪府吹田市のご当地ゆるキャラはこのすいたんです。
このすいたんは「吹田くわい」をモチーフにしたゆるキャラで、市のイベントなどによく登場しているみたいです。
ららぽーとエキスポシティ1階にあるinforest吹田にはグッズも置いてあります。
ガンバ大阪のホームスタジアムである「吹田スタジアム」があるのも吹田市なので、ガンバ大阪とのコラボグッズ等も色々あります。
まとめ
いかがでしたか?
もう一度まとめておきますね。
- くわいはオモダカ科 中国原産の多年生植物
- 白クワイ・青クワイ・吹田クワイの3種類がある
- 秋から冬にかけて収穫される(10~1月頃)
- おせち料理に込められた願いは「芽でたい」「出世祈願」
- 大阪府吹田市のご当地ゆるキャラは「吹田くわい」がモチーフ
くわいというあまりなじみのない野菜について少しでも知ってもらえたらと嬉しいです。